<アーバンフォレストの広がり>瀧澤美奈子氏のコラム「都市に「緑の日傘」を =地球温暖化対策、世界で加速=」が時事通信社より配信されました。
時事通信社の配信記事、瀧澤美奈子氏※による子ども向け防災科学のコラム(「こども・サイエンスキッズ」“もしもにそなえる 防災科学”)で、「都市に「緑の日傘」を=地球温暖化対策、世界で加速=」が配信されました。(2024年8月14日)当協会は瀧澤美奈子氏の取材に協力し、アーバンフォレストの機能を多角的に説明しました。
瀧澤美奈子氏 https://www.minakotakizawa.info/
科学ジャーナリスト・科学ライター
日本科学技術ジャーナリスト会議副会長
慶應義塾大学大学院非常勤講師
2024年8月14日に時事通信社の配信記事、科学ジャーナリスト瀧澤美奈子氏による、「こども・サイエンスキッズ」“もしもにそなえる 防災科学”「都市に「緑の日傘」を=地球温暖化対策、世界で加速=」 が配信されました。記事では、緑の日傘の意義や樹木の生育環境の改善の必要性、今後都市の樹木を健全に育成することが大事であることが、子どもにわかりやすく説明されています。
なお、配信に先立つ7月30日、近年の地球温暖化により特に夏は気温上昇が著しく、都市環境改善の手段として緑の重要性が高まっているのではないかという問題意識をお持ちの瀧澤美奈子氏の取材に協力して、当協会の理事、役員がアーバンフォレストについて説明をしました。
時事通信社 解説特信 2024年8月14日(水) 配信内容
「こども・サイエンスキッズ」 “もしもにそなえる 防災科学”
都市に「緑の日傘」を=地球温暖化対策、世界で加速=
世界で年々激しさを増す猛暑(もうしょ)。欧米(おうべい)の都市では、地球温暖化対策として「緑の日傘(ひがさ)」を増やすアーバンフォレスト(都市の森) という考え方が進んでいます。街路樹や公園樹を健康に育て、街全体を樹冠(じゅかん)でおおってしまおうというわけです。
樹冠とは枝や葉が茂(しげ)っている部分のことです。土地面積に占(し)める割合は、東京23 区では10%未満ですが、たとえばアメリカのワシントンDC、ニューヨークなどでは現在20~30%のところを2030年までに30~40%に高める目標を立てています。
恩恵(おんけい)ははかりしれません。日差しをさえぎって木陰(こかげ)を作り、葉の蒸散作用と相まって気温を数度下げる効果があります。
二酸化炭素の吸収、大気の浄化(じょうか)、 延焼(えんしょう)防止 、生物多様性の向上、人々の精神的ストレスの緩和(かんわ)や、いこいの場造りにも役立ちます。
ゲリラ豪雨(ごうう) 対策としても有効です。街路樹診断(しんだん) 協会副会長の笠松滋久さんは「先進事例を見ると、樹木の植え込(こ)みに雨が浸透(しんとう)するよう設計し、都市洪水(こうずい)を緩和している」と話します。
②アメリカ・オレゴン州のポートランド市はアーバンフォレストの先進都市。街路樹が空をおおい、植え込(こ)みは雨水が流入する設計になっている(街路樹診断協会 笠松滋久さん提供)
街の木は都市の子どもたちにとって一番身近な自然でもあります。
「一本一本を健康に育てて、森にしていくことが大切」と樹木医の有賀一郎さんも話してくれました。
(科学ジャーナリスト・瀧澤美奈子) (了)
【編注】
一般社団法人街路樹診断協会、
笠松滋久(かさまつ・しげひさ)、有賀一郎(ありが・いちろう)